「労働Gメン草薙満」早見俊著
ひばりが丘市の労働基準監督署の相談窓口に夫の村瀬を自殺で失った幸子が訪ねてくる。総合化学メーカーの研究職だった村瀬の帰宅は毎夜12時を過ぎていたと聞き、新米労働基準監督官の草薙は調査を約束する。数日前にも村瀬が勤務する会社の派遣社員が夜勤明けに車で登校中の小学生の列に突っ込み、死亡させる事故が起きていた。
しかし、会社への臨検では過重労働の証拠は見つからない。草薙は、村瀬が終業後に会社の命令で別の場所で働いていた可能性を疑う。村瀬が出入りしていた工場を突き止め様子をうかがう草薙だが、刑事の沙也加に職務質問されてしまう。
正義感に燃える労働Gメンを主人公にしたエンターテインメント。
(徳間書店 680円+税)