「やさしい猫の看取りかた」監修 沖山峯保 絵 立原圭子
いまや空前の猫ブーム。しかし、ブームということはやがて廃れることが予想される。かつて、シベリアンハスキー犬が流行となったが、ブームが去った後には持てあまして野に放した飼い主も数多くいた。動物病院の院長である著者は、この猫ブームにも同様の危惧を抱く。
猫を飼うことはファッションではなく、一度飼った以上、最期まで看取ることを覚悟しなければいけない。では、どうやればきちんと看取ることができるのか。本書は、そのノウハウをわかりやすく解説する。
まずは、爪とぎや毛玉吐きなど基本的な猫の生態を理解することから始まり、病気や老いの徴候の見方、ペット保険や動物病院の選び方、葬儀の具体例まで細かに説明していく。さらに、安楽死という選択肢、ペットロスの対処の仕方、災害時における猫の守り方などにも言及している。
猫との付き合い方がコンパクトにまとめられ、猫飼い初心者にも便利。ほっこりした絵が、看取りというつらい出来事を優しく包んでくれる。
(角川春樹事務所 1000円+税)