東日本大震災が起きたとき、楽天の三木谷浩史社長は10億円を寄付し、脱原発宣言をして経団連から脱退した。新聞も政治も当てにならないなか、三木谷浩史は未来を見せてくれる希少な人物ではないかと著者は注目する。
三木谷は一橋大学から興銀へ、さらにハーバード大学に進んだエリートだが、中学時代にたばこ、競馬、パチンコ、麻雀に入れ込み、父親の財布から金をくすねるという問題児だった。
成績が5段階評価の2と3でも両親は怒らなかったが、父が備前の名刀を振りかざし、三木谷に短刀で腹を切れと迫ったこともあったという。
日本を代表する実業家と、彼を育てた家庭の実像に迫る一冊。
(幻冬舎 1500円+税)