日本のウユニ塩湖が千葉県に!?
「日本で楽しむ『世界の絶景』」日本絶景研究会著
「天空の鏡」と呼ばれる、ないだ湖面に青空が映し出され、そこに立つ人が、まるで空中にいるかのような錯覚さえおぼえる南米ボリビアのウユニ塩湖の絶景。その幻想的な美しさに、いつかは自分もと憧れている人も多いことだろう。
しかし、現地ははるか地球の裏側、旅費やかかる時間を考えると二の足を踏んでしまうのが現実だ。
しかし、わざわざ南米まで出かけなくとも「日本のウユニ塩湖」と呼ばれるほど美しい景色に国内でも出合える場所があるという。
東京湾東部、潮干狩りで有名な千葉県木更津市の江川海岸だ。同地では潮が満ち、風のないだ朝夕、ウユニ塩湖のような幻想的な風景が見られるという。沖合に向かって等間隔で海中から突き出た電柱が、海面に映し出される奇観は、ここだけのものだ。電柱は沖合の密漁監視施設へ電力を供給するためのもので、現在、施設が使用されなくなったため、いつまでこの景観が保たれるかはわからないそうだ。
その他、エメラルド色の木曽川と奇岩が絶妙なコントラストをつくり出し「日本のグランドキャニオン(アメリカ)」と呼ばれる長野県上松町の「寝覚の床」や、「日本のカッパドキア(トルコ)」といわれる福島県郡山市・浄土松公園の「きのこ岩」、「日本の青の洞窟(イタリア)」は沖縄県恩納村の「沖縄の青の洞窟」、さらに兵庫県朝来市の「竹田城跡」をはじめ大分県宇佐市の「西椎屋地区」など、なんと国内に4カ所もある「日本のマチュピチュ(ペルー)」など、40以上の「日本の――」を紹介してくれる。
ちなみに「日本のモン・サン・ミシェル」は「江の島」。双方とも信仰の島と言われれば確かにそうかとも思える。文庫サイズで日本の魅力を再発見できるお薦め本。
(PHP研究所 820円+税)