「罪人が祈るとき」小林由香著
11月6日の呪い。週刊誌が取り上げた記事には、ある少年、そして翌年同日にはその母、さらにその翌年には少年のクラスメートの死が報じられた。本当に呪いなのかと。
主人公は妻と息子を失った風見啓介、そして息子の同級生で、加害者の少年のひとりにひどい暴力とかつあげを受けている時田祥平。
ある日、いつものように上級生の竜二とその取り巻きに脅されていた祥平の前にピエロが現れ、あっという間に3人を打ち倒した。そして、祥平の打ち明け話を聞いてくれる。そして言った。「私が殺してあげる」と。
その日からピエロと祥平の殺害計画が進行する。まず血祭りにあげられたのが竜二。しかし祥平は、その場に居合わせなかった。続く2人の死。
罪と死を見つめたヒューマン小説。
(双葉社 1600円+税)