「機捜235」今野敏著
相棒が負傷して新しい相棒が来た。
第2機動捜査隊の高丸の前に現れたのは、どう見ても定年間際の縞長だった。
渋谷区のコンビニで強盗事件が発生したので、現場に急行した。初動捜査を行って所轄に引き継げば機捜の役目は終わりだが、所轄の刑事は縞長が証言を取った後、目撃者を帰したことが気に入らないようだ。縞長と組むと機動力が落ちると高丸は思った。
ところが、巡回中に縞長が突然、職質をかけたいやつがいるから車を止めてくれと言い出した。
縞長が声をかけた男は挙動不審でもなく、不審な荷物を持っているわけでもなく、人相にも見覚えはなかった。(表題作)
異能の老刑事と若手の刑事のコンビが活躍する短編刑事小説集。
(光文社 1500円+税)