<14>感覚はなく、ただ眩しい
黄斑上膜の手術当日――
山岸良介は、外来患者の診察が始まる前に、眼科部長の原田みさき医師の診察を受けたあと、いったん病室に戻り、抗生物質や散瞳剤(瞳孔を拡大させる薬)の点滴を受けた。
午前十一時半、薄い肌色の患者用手術衣を着て待っていると、看護師が車椅子を押して…
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