「ちびねこ亭の思い出ごはん」高橋由太著
4年前、葵は父方のおばあちゃんからプレゼントされた赤いランドセルがとても気に入った。しかし、「意識高い系」の母親が、今は女の子だからといって赤いランドセルを使う時代じゃない、と突き返してしまう。母は、おばあちゃんが作ってくれた葵が好きなパンの耳のドーナツも「こんなもの」と捨ててしまった。いつかそんなあれこれを謝りたいと思っていたのに、おばあちゃんはあっけなく死んでしまった。
両親と君津市にあるおばあちゃんの家の片づけに行った日、葵は塾の先輩から聞いた店に一人で向かう。海辺にあるその店「ちびねこ亭」で思い出のごはんを食べれば、死んでしまった大切な人に会えるらしい。(「黒猫とパンの耳」)
思い出ごはんが死者と生者の関係をつなぎなおす人気シリーズ第5弾。
(光文社 682円)