「誰が農業を殺すのか」窪田新之助、山口亮子著

公開日: 更新日:

 農家の高齢化と後継者の不在による離農や耕作放棄地の増加など、日本の農業の衰退が喧伝されて久しい。しかし、日本の農業にとってはこれまでにない好機が到来しているという。

 その妨げになっているのが、実は農政だそうだ。零細農家の退出を食い止めるためにとられてきた「保護農政」の方針を根本的に変えようとしていないからだ。日本の農政が農業の未来の妨げになっている事実を、食と農の現場を通して説いたリポート。

 中国で栽培が広がる「愛媛38号」など、日本の貴重な知的財産である種苗の違法な海外流出への対応や、輸入原料を加工したチョコレートやコーヒーまで農産品に加え「農産物の輸出額」が急速に伸びているように見せかけるミスリードなど、農政の罪を告発する。

(新潮社 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…