「罪の轍」奥田英朗著

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 昭和38年8月、東京・南千住で資産家殺人事件が発生。警視庁捜査1課の落合らが所轄署の刑事とともに捜査に乗り出す。

 捜査が難航する中、落合は現場近くで林野庁の腕章をした作業服姿の男を見たという証言が気になる。やがて数日前に北海道稚内の林野庁の詰め所が荒らされ、作業服などが盗まれていたことが判明。礼文島で空き巣を繰り返し、その後行方が分からない宇野という青年が捜査線上に浮かぶ。

 その後も、浅草や上野周辺で宇野の犯行と思われる空き巣事件が続発。落合は逃走せずに殺人事件の現場近くで空き巣を繰り返す宇野の行動に疑問を抱く。

 そんな中、浅草署の管内で誘拐事件が発生。誘拐された少年には宇野との接点があった。

 戦後最大の誘拐事件をモデルに描くミステリー。

(新潮社 1210円)

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