「潮風の下で」レイチェル・カーソン著 上遠恵子訳

公開日: 更新日:

 世界に先駆け環境問題に警告を発した「沈黙の春」の著者が、海とそこに暮らす生き物たちの魅力をつづった名著の復刊。

 たそがれ、奇妙な鳥たちが砂州の外の営巣地からその島にやってきた。真っ黒な翼を広げると人が広げた両腕よりも長いその鳥たちは、クロハサミアジサシの「リンコプス」だ。越冬地のユカタン半島から北へ旅してきた彼らは、入り江の砂州や外海の海岸でひなを育てる。

 闇は深まり、潮が満ちてくると、産卵を終えたイリエガメがするりと水中に入ってきた。水路の深いところでは多くの魚が泳いでいる。産卵のため海から戻ってきたシャッド(ニシンの仲間)だ。

 こうした海辺から、大海原、そして深海へと読者をいざないながら、そこに暮らす多くの生き物たちの姿を描き出す。

(山と溪谷社 1210円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議