「ムラブリ」伊藤雄馬著

公開日: 更新日:

「ムラブリ」伊藤雄馬著

 言語学者である著者は、ある日、テレビ番組「世界ウルルン滞在記」でタイやラオスの山岳地帯に住む少数民族、ムラブリを知り、フィールドワークをすることに。ムラブリは森に住む狩猟採集民である。

 ムラブリ語の感情表現はユニークで、「クロル クン(心が上がる)」「クロル ジュール(心が下がる)」という言い方をするが、「心が上がる」は「悲しい」とか「怒り」を表し、「心が下がる」は「うれしい」とか「楽しい」を意味する。彼らにとって感情を表すのはよいことではないので「心が上がる」ことを避けるべきことと考えても不思議ではない。

 言語学者が文字も暦ももたない人々から教わった自由、言葉、幸福などについてつづる異端の言語学ノンフィクション。 (集英社インターナショナル 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  3. 3

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  1. 6

    フジの朝ワイド「サン!シャイン」8時14分開始の奇策も…テレ朝「モーニングショー」に一蹴され大惨敗

  2. 7

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  3. 8

    セレブママの心をくすぐる幼稚舎の“おしゃれパワー” 早実初等部とアクセスや環境は大差ナシ

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上