「シャーロック・ホームズの誤謬」ピエール・バイヤール著 平岡敦訳
「シャーロック・ホームズの誤謬」ピエール・バイヤール著 平岡敦訳
「推理批評」家の著者は、前著で、かの名探偵エルキュール・ポワロの推理に異を唱え、アガサ・クリスティの「アクロイド殺害事件」の隠された「真犯人」を暴き出した。その著者が本書で挑むのは、アーサー・コナン・ドイルが生み出した名探偵中の名探偵、シャーロック・ホームズだ。
長編「バスカヴィル家の犬」を取り上げ、今回もホームズの推理におけるさまざまな疑問点や矛盾点を洗い出し、「独自に」事件の真実に迫り、真犯人を名指しする。
まずは原典のあらすじをたどり、ホームズが見落としていた新たな証拠を見つけ出し、全ての疑問点を合理的に解決する新たな推理を提示。
一方で、ホームズが誤った推理に導かれた原因を作者との関係から分析するシャーロキアン必読の一冊。
(東京創元社 1210円)