「真夜中の密室」ジェフリー・ディーヴァー著、池田真紀子訳
ニューヨークで奇妙な犯罪が起きていた。厳重に鍵をかけた部屋に何者かが侵入し、下着の置き場所を変えたり、サンドイッチを作ってその食べかけを部屋の住人のベッドサイドテーブルに置いていったりするのだ。
今回は破り取った新聞に、被害者の口紅で「因果応報」というメッセージを残していた。署名は「解錠師(ロックスミス)」。「暴力的威嚇」も「不法接触」もない事件だが、何かとんでもない事件が起きそうだ。ニューヨーク市警の依頼で、電動車椅子に乗った探偵、リンカーン・ライムが捜査に加わることに。ロックスミスの鮮やかな腕前に、ライムは宿敵「ウォッチメイカー」を思い出した。
不可解な事件に車椅子の名探偵が挑む。 (文藝春秋 2860円)