「ルポ大学崩壊」田中圭太郎著
「ルポ大学崩壊」田中圭太郎著
教職員の大量解雇やハラスメントの捏造による懲戒解雇など、いま、各地の大学で異変が起きている。一部の人間による大学の「独裁化」と「私物化」が進んだ結果だ。
2000年以降に増え始めたこうした大学の独裁化と私物化を後押ししたのは、04年の国立大学法人化と私立学校法の改正だという。独立行政法人化することで各国立大学の自主性や独立性を確保するといわれたが、実際には国からの交付金や、人件費が削減され、非常勤教職員が増加。学外の委員が入った選考会議で学長が決まる仕組みになった。
寮に住む学生を提訴した京都大学や、総長を解任した北海道大学など、各地の大学で起きている事例を紹介しながら、その背景に迫るルポ。 (筑摩書房 990円)