「こんばんは、太陽の塔」マーニー・ジョレンビー著

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「こんばんは、太陽の塔」マーニー・ジョレンビー著

 22歳のカティア・クリステンセンは大阪の女子校の英語の教師の職を見つけて、ミネソタからやってきた。万博記念公園で太陽の塔を見るたびにドキッとする。カティアの師匠だった陶芸家のデーヴィッド・ライダーの顔にそっくりだからだ。

 カティアは手をいつもポケットに入れている。ライダーに「僕はこの手を君に伝承して、君を育てるから、君も立派な器が作れるようになる」と言われた日、自分の腕にライダーの手がくっついているのに気づいたのだ。

 ある日、カティアは駅のホームで自分をにらんでいる男がサイコパスだと直感する。この男はカティアの手に気づいているに違いない。

 トラウマを抱えた女性の再生の物語。 (文藝春秋 2090円)

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