「近鉄特急殺人事件」西村京太郎著
「近鉄特急殺人事件」西村京太郎著
早朝、都内のマンションで歴史雑誌の編集者・小早川の他殺体が発見された。警視庁の十津川らは、姿を消した同棲相手の伊世の犯行を疑う。小早川の同僚だった伊世が残した「覚書」には「穢れた大都会を脱出して、神の地に行く。私を追えば、神の罰を受けよう」と記されていた。
同じ日、賢島駅に到着した近鉄の「ビスタEX」の車内で歴史学者・中村の変死体が見つかる。警視庁に身元照会の依頼が入り、調べると中村は小早川と伊世が卒業した大学の准教授だった。中村は歴史番組の司会も務め、伊勢神宮をテーマにした次回作の下調べに行く予定だったようだ。
2つの事件の関連を疑い、伊勢神宮に向かった十津川は、おかげ横丁で商店街の広報として働く伊世を見つける。
昨年亡くなった巨匠によるトラベルミステリー。
(新潮社 693円)