「戦狼中国の対日工作」安田峰俊著
「戦狼中国の対日工作」安田峰俊著
西側諸国にこれまで以上に攻撃的な主張を繰り返す一方で、自国を過剰に賛美したりディスインフォメーション(意図的な誤情報)の流布を繰り返したりする中国。新型コロナウイルスのアメリカ起源説や日本の福島原発の処理水排出問題などでも見られたこうした中国の対外姿勢は、一般的に「戦狼外交」と呼ばれ、近年では公安部や宣伝部、党の統一戦線工作部など、外交部以外の部署の姿勢や行動にも見られる。2021年夏ごろから日本国内でも中国の駐在外交官たちがSNSで戦狼的な情報を盛んに発信。さらに中国の地方都市の公安局の「海外派出所」が日本国内に存在していることも確認されている。
本書は、中国の戦狼外交を担う当事者やその被害者などに取材、中国の対日工作の戦慄すべき実態を伝えるリポート。 (文藝春秋 1045円)