「未婚と少子化」筒井淳也著
「未婚と少子化」筒井淳也著
昨年の出生数は76万を切り過去最少を更新。少子化は日本にとって取り組むべき最大の問題のひとつで、岸田政権も「異次元の少子化対策」として子育て支援の拡充に資金を注入している。
政治もマスコミも少子化対策といえば子育て支援の予算や財源の話に傾きがちである。しかし、1970年代からの出生率低下の大きな要因は、結婚している人が子どもを持たなくなったことではなく、晩婚化・未婚化によってもたらされてきたと著者は指摘する。そもそも、出生率や出生数について考えるときに「結婚している夫婦」を出発点として想定しているのが間違いだというのだ。
データや統計を用いて婚姻や出産の実態を明らかにしながら、より広い視野から少子化について考察した問題提起の書。
(PHP研究所 1122円)