「屍衣にポケットはない」ホレス・マッコイ著 田口俊樹訳
「屍衣にポケットはない」ホレス・マッコイ著 田口俊樹訳
ドーランは、地方紙「タイムズ・ガゼット」の記者として働くかたわら、俳優としてリトル・シアター(町の実験的な劇場)の舞台にも立つ街の人気者。
ある日、ドーランはワールドシリーズで八百長が行われていたことを記事にするが、広告主らの顔色をうかがう編集長に握りつぶされてしまう。正義感に燃えるドーランは、これまでも告発記事を何本も書いてきたが、そのたびにボツにされてきた。
社の方針にあきれたドーランは、新聞社をやめ、真実だけが書かれた雑誌を創刊。その創刊号でさっそくワールドシリーズの八百長疑惑を報道する。すると記事によって引退に追い込まれた選手が、拳銃を持って編集部に怒鳴り込んできた。
1930年代に刊行されたアメリカの人気作家による自伝的小説。
(新潮社 825円)