「虎と巨人」掛布雅之著
「虎と巨人」掛布雅之著
ミスタータイガースが、野球人生を振り返り、ジャイアンツとの伝統の一戦を中心に、共に戦った選手や監督、コーチの思い出を語るスポーツ本。
王・長嶋のONに憧れ野球を始めた氏は、1973年ドラフト6位で阪神に入団。その年、巨人はV9を達成。後に当時の阪神のエースだった江夏から聞いた、最終試合までもつれ込んだ優勝決定の舞台裏で起きた意外なエピソードを開陳。また、身近で接したONの素顔と凄み、当時の主砲・田淵のトレードによって自らに訪れた転機など往時を語る。
さらに江川との電撃トレードで阪神に加わった小林繁投手がチームメートに放った最初の一言への対抗心で上り詰めた本塁打王など、レジェンドたちのエピソードが満載。
後半は「アレンパ」に向け戦う現役の選手にエールを送る。
(中央公論新社 946円)