「カジノ列島ニッポン」高野真吾著
「カジノ列島ニッポン」高野真吾著
安倍政権が日本の成長戦略の目玉とすべく推進したIR(統合型リゾート)のトップバッターとして、大阪IRが2030年秋に開業する。大阪府・大阪市は、初期投資額約1兆2689億円に対し、年間売り上げはカジノ約4200億円、そのほかから約1000億円を見込む。
カジノに併設して劇場やホール、国際会議場や国際展示場などを設け、維持できるのは、カジノから莫大な収益が上がるからである。ただカジノの収益とは、客の負けであり、ギャンブル依存症への対策が打たれたとしてもゼロにはできず、悲劇は必ず生まれる。
それでも、不認定の長崎や、一度は頓挫した横浜や和歌山でも誘致の動きは絶えず、東京も本命視されている。
各地を取材し、カジノ頼みの日本の行く末に警鐘を鳴らすリポート。
(集英社 1100円)