「サプリメントの正体」田村忠司著
「サプリメントの正体」田村忠司著
世の中に効果の怪しい不誠実なサプリメントがあふれている理由は業界構造にある。できるだけ手早く儲けたい会社がSNS運営会社などと共同してオーバートークの魅力的なコピーを用いて利益追求をしているのだ。
医療機関向けサプリメーカーの代表を務める著者だが、「タダで手に入った情報は誰かがその費用を負担したからあなたの目に触れた」と警鐘を鳴らす。「サプリメントに投資するお金があるなら、その分を八百屋さんと魚屋さんに」というように、健康に暮らすにはまず食事を見直すことが前提だという。
その上で、それでも飲む価値のあるサプリメントと、その向き合い方を伝授。だるい、朝起きられないなどの「不定愁訴がある人」や「予防的に健康増進したい人」などさまざまな目的の利用者がいるが、基本的には「品質のいいマルチビタミン&ミネラル」を選べば問題ないと喝破する。
ほかにも「睡眠障害の人には葉酸、ナイアシン……」「飲酒好きにビタミンB群、ビタミンC……」など、利用者目線で基礎から応用まで寄り添う一冊。
(東洋経済新報社 1650円)