「菅原伝授手習鑑」三浦しをん訳
「菅原伝授手習鑑」三浦しをん訳
江戸時代から、人形浄瑠璃、後に歌舞伎としても上演され続けてきた物語を人気作家が現代語訳。
ストーリーは、菅原道真公が大宰府に流刑となり、天神さまとしてあがめられるようになるまでのドラマを描いている。
延喜の御代、才智と徳を兼ね備えた道真は、右大臣に推挙され、権勢をふるっていた左大臣藤原時平と並び立つ存在となり、天皇の信頼もあつい。
あるとき、天皇が風邪をこじらせ病の床につく。折あしく、渤海国から来日した僧が唐土の皇帝の命を受け、天皇に面会を求めてきた。皇帝は、僧が描き写した天皇の絵を通して、日本の天子との対面を望んでいるという。道真は自ら天皇に成りすますと言い出した時平を何とか思いとどまらせようとする。(「大内の段」) (河出書房新社 880円)