「吼えろ道真」澤田瞳子著

公開日: 更新日:

 大宰府に左遷された菅原道真は、慟哭と呪詛の日々を過ごしていた。

 一方で、異国の風に触れられるこの西国が意外にも気に入り、近頃では
身分を偽り、菅三道の名で博多津の唐物商の店で目利き(鑑定)の真似事までしている。

 翌日に延喜への改元を控えた昌泰4(901)年7月14日、道真の話し相手を務める役人の龍野は、大宰大弐の小野葛絃から天皇の改元の詔書を事前に道真に見せるよう託される。しかし、道真はそこに記された改元理由に怒り心頭、詔書を破り捨ててしまう。

 一方、葛絃の甥・葛根は、博多津で京から派遣された蔵人所の役人と出会う。聞くと、博多津から内裏に献上された唐物が何者かによってすり替えられているという。

 道真が目利きとして活躍する歴史ユーモア小説。 (集英社 660円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…