追悼CDに雑誌特集も 大河“政次ロス”は現代女性の矛盾願望
たとえば、好きな女のために思いをひた隠すのは、どちらかといえばひ弱なキャラクターだが……。
「そこがいいんです。女性が強くなって、昔のような“俺についてこい”的なマッチョ男は必要ない。それより心から自分を思ってくれる“優しさ”こそ、現代女性が男性に求めるものなのです。その一方、男性に頼りたい、引っ張っていってほしいという矛盾した願望もあるのが女性心理。政次は、そんな矛盾した女性心理の憧れです」(関氏)
頭のキレる小野政次は、直虎も全幅の信頼を寄せる頼れるブレーンだ。
そしてもうひとつ、報われない“不憫さ”も、女性を胸キュンさせるキーワード。
「報われない恋は本来女性キャラの役割。男なのに女性自身も投影できる類いまれな役柄だと言えます」(関氏)
究極の悲劇のヒーローだが史実はどうか?
「井伊家を乗っ取り、攻め込んできた家康に子供2人と共に処刑されています。フィクションとはいえ、あまりに真逆な設定には違和感があります」(歴史研究者の渡邊大門氏)
そういえば、制作者も作家も女性。女性による女性のための女性の大河と思えば、政次ロスは“狙い通り”か。