渋谷の路上で号泣ビンタを目撃!女同士の秘め事はネカフェのカップルシートで… #2【不倫依存~婚外恋愛を謳歌する男女】
これまでのあらすじ
【不倫依存~婚外恋愛を謳歌する男女】
夫とのレスから女性に恋焦がれるようになった弥生さん(33歳主婦/子供ナシ)。お相手はカルチャースクールでK-POPダンスを教える美和子先生(31歳/独身)だ。
最初こそ戸惑ったものの、不倫を楽しむ女友達の影響もあり、次第に美和子先生への思いが強まっていく。
そんな折、渋谷の路上で美和子先生が女性と口論し、相手女性の頬をひっぱたいている光景を目撃。弥生さんが近づくと「私、裏切られたの…」と美和子先生が泣きついてきた。
2人は近くにあるネットカフェのカップルシートに行き…。
気になる続きの前に、第1話はコチラからお読みいただけます。
涙ながらに語られた事の経緯
弥生さんは語る。
「カップルシートに並んで座っても美和子先生は悔しさが込み上げてくるのか、涙を拭っていました。私は『先生、これで落ち着いてください』と、ドリンクバーから持ってきたホットココアを差し出したんです。
ひとくち飲んだ先生は『ありがとう。みっともない姿を見せてしまってごめんなさい』と詫びたあと、事の経緯を話してくれました。
口論していた女性は、自分の恋人であること。女子高育ちの自分は男性との交際に違和感を覚えて、女性しか愛せないこと」
恋人は男性と結婚を選んだ
美和子先生が同性愛者であったことに、弥生さんは驚きを隠せなかったという。そんな弥生さんの恋心を知るはずもなく、美和子先生は話し続けた。
「美和子先生が生粋の同性愛者であることに対し、恋人の女性はバイセクシュアルだそうです。でも、生涯のパートナーとして生きていこうと付き合って3年が経過。恋人女性は両親から結婚をせっつかれたそうです。
同性と付き合っていることをカミングアウトできなかった彼女は、親の紹介した男性と結婚することを決めたそうで…。美和子先生が『裏切られた…』と言っていたのは、生涯のパートナーとして疑わなかった彼女の裏切りだったんですね。
厳格な公務員の家庭で育った恋人は、結局、両親の言いなりになったわけです。美和子先生はこぼれ落ちる涙を拭いながら話してくれました」
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「涙を乾かすお手伝いをしますから」
弥生さんは、さめざめと泣く美和子先生の背中をさすりながら、「おつらかったですね」と慰めた。
「慰める一方で、私は不思議な気持ちになっていました。まさか美和子先生が同性愛者だったなんて…と。心の中で驚きと安堵の気持ちが交錯しました。だからと言って、ここで先生が好きだと告げるわけにはいきません。
今は先生の悲しみを少しでも和らげてあげたいと、その一心で彼女の背中をさすり続けたんです」
いくらか落ち着いてきた時、美和子先生は弥生さんを見つめて「ありがとう。弥生さんがいてくれてよかった」と抱きついてきたという。
弥生さんは語る。
「ドキッとしました。甘い匂いが濃く香り、胸の膨らみが私の胸元に押し当てられたんです。先生が私の体を抱きしめているという事実に、めまいがしそうなほど緊張してしまって…。
気づけば『私でよければ、先生の涙を乾かすお手伝いをしますから』と、ギュッと抱きしめ返していたんです」
甘美な時間を過ごして
それからのことは夢かと思うほど甘美な時間だった。美和子先生が弥生さんに覆いかぶさって来たのだ。
「驚くというよりも、幸福感のほうがまさりました。柔らかな唇、なめらかな肌、甘い香り…。女性の体ってこんなにも男と違うのかをまざまざと知らしめられたんです。同性愛の経験など初めての私です。
先生はしなやかな指、柔らかな唇と舌で、夫がしてくれなかったことをやってくれたんです。今思い出しても恥ずかしく、でもたまらなく心地いい時間でした。
パーティションで区切られただけのネットカフェで、必死で声を押し殺しました。声を出せない代わりに、先生のショートヘアを撫でまわして…。体が痙攣する頃には、先生は『弥生さん、可愛い』と甘く囁いて、今でもドキドキしています」
弥生さんは、真っ赤に火照った頬を両手で覆った。その日以来、講師と生徒だった関係は恋人同然の関係に変わった。
幸せな瞬間と付きまとう後ろめたさ
「レッスン後、時間をずらしてスタジオから出て、2人きりで逢うようになりました。食事だけの時もありますし、先生の自宅マンションを訪れる時もあります。
ベッドの中で『弥生さんはますますダンスがうまくなっていくわね』と褒められて、『だって、先生の特別な生徒でいたいもの』と笑い合う瞬間の幸せと言ったら…もう言葉にできません。
こんなことを言ったら申し訳ないけれど、美和子先生を振ってくれた彼女にお礼を言いたいくらい(笑)」
弥生さんは生徒たちの憧れるダンス講師・美和子先生と肌を重ねているという事実に陶酔した。一方で「自分は既婚者なのに」という後ろめたさが付きまとった。
同性と言えども、これは不倫に他ならない。夫や周囲にバレてはいけない。そして、いつかは先生が離れて行ってしまうかも…という不安も抱き続ける。
夫に会ってみたいと告げられて
そんな折、美和子先生は思いがけないことを告げてきたという。
「ある日のデートの帰り際、『今度は弥生さんのお宅に行きたいわ。ご主人にも会ってみたい』と言われたんです。自宅に呼ぶのは構いませんが、主人に会いたいだなんて…」
弥生さんは言葉を詰まらせた。美和子先生の意図が全く分からなかった。
しかし、先生は「来週か再来週はどう?」と畳みかける。もしかして試されているの? 弥生さんの胸奥がざわめいた。
続きは次回。
(蒼井凜花/作家・コラムニスト)