秋といえばサンマですが「目黒の秋刀魚」って知ってますか
これにちなんで目黒では「目黒のさんま祭り」をやってますが、意外と落語自体が知られてなかったりするんですよね。下手すると昔は目黒でもたくさんサンマが捕れてたんだねなんて、思ってる人もいるかも知れません。
この噺は流通が行き届いてない江戸時代、運ぶ途中に鮮度が落ちそうな海から遠い目黒で農家から譲ってもらった下魚のサンマだけど、空腹でサンマの味を知らなかったお殿様がおいしいと感じたというポイントが、演じ手の我々落語家にとって非常に重要なんですよ。
そしてさらに、旬の脂が乗った焼きたてのサンマのおいしさを聴き手であるお客さんが共有して、さらに共感するところが大事なんですよね。「え~昔はサンマという魚が大変安く庶民の食べ物だったそうで」なんていうマクラから噺に入る時代が来るかもしれませんね。