<40>入籍した戸籍謄本を近所に配布したドン・ファンに早貴被告は絶句
「はいはい。ありがとうねえ~」
社長の機嫌もいい。その頃私は18年4月に出版予定の「紀州のドン・ファン」の第2弾「野望篇」の最終稿を執筆していた。新妻となった早貴被告とドン・ファンとの出会いについてどのようにするかが話題に上がった。
「ファンレターをくれた男の紹介で会ったというのも味気がないですよね」
「そうやな」
私の提言にドン・ファンがうなずいた。
「羽田空港で足がもつれて転んだワシを助け起こしたのが早貴さんだった、というのはどうやろう?」
「アラ、いいんじゃない? さすが社長よねえ~」
即座に菜々ちゃんが手を叩いた。
「分かりました。それで行きましょう」
ドン・ファンの意向に従うことにして記事を書くことになった。
■事件後は取材の手掛かりに