昇也は師匠を見て入門「『楽しそうだね』って言われる落語家になりたい」
昇太が笑って応えた。
「やらないな。説教じみたセリフがある噺は嫌いなんですよ」
昇也に何か注文はあるか聞いてみた。
「まくらで、必ずウケるネタを作ることかな。以前は自分が師匠より先に結婚したことをネタにして、つかみの笑いを取ってたけど、僕が結婚しちゃったんで、もう使えない。それと、ラジオをやって欲しいですね。僕も長い間やってます。ラジオは落語家にもってこいの媒体ですから」
昇也がうなずいた。
「ラジオ、やりたいです。今、売り込み中なんで、この記事を読んだ関係者の方、ぜひ僕を使ってみて下さい」(つづく)
(聞き手・吉川潮)