【きょうの朝ドラおむすびにモヤっと】最終週は最後の顔見世? 糸島移住“言い出しっぺ”の愛子さん台詞を深読みすると…
最終週「おむすび、みんなを結ぶ」第121回
【朝ドラのツボ!】
福岡・糸島に移住することが決まった聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)。ヘアサロンヨネダを翔也(佐野勇斗)が継ぐことになり、翔也の母・幸子(酒井若菜)があいさつに来る。愛子がイチゴを育てるつもりだと話すと、幸子は教えるからいつでも呼んでと言う。
一方、病院で働く結(橋本環奈)は、新しく赴任した外科医のやり方に反発を覚える。
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【本日のモヤっと】
「でも、ホントに大丈夫? 無理してない?」(by愛子さん)
※※以下、ネタバレあります※※
先週の風見先輩(松本怜生)に続き、翔也の母・幸子が久々に登場しました。今週はこんなふうに懐かしい人たちが次々と最後の顔見世で登場するかたちかもしれません。
どこぞの離島に行ってしまった管理栄養士の西条(藤原紀香)や、岩手在住のギャル・アキピー(渡辺直美)の再登場もあるのでしょうか、これは見ものです。
そんなわけで、聖人と愛子の糸島移住により、翔也がヘアサロンヨネダを継ぐことになったわけですが、そんな翔也に、「でも、ホントに大丈夫? 無理してない?」と気遣うふうの愛子にどの口が言っているのか? と思いました。愛子が糸島に移住したいと言い出したからこんなことになっているわけで…。
翔也にしてみれば、尊敬するおやっさんの元で一緒に働けると思っていたのに、内心、「そりゃないよ~」という感じなのでは。それを「無理してない?」ですからね。それなのに「おやっさんと愛子さんの思いが詰まったあの店をオレが守りてぇんす」って、なんていいやつなのでしょう。
糸島でイチゴを育ててみたい、という愛子。「聖人さんもイチゴを作るの?」と幸子に聞かれ、「いやいやあ。俺はヘアサロンヨネダの2号店を出します。向こうで」という聖人の言葉に、最初から糸島で散髪屋をやっていれば、神戸に戻ることもなく、ずっと糸島で暮らせていたのに…とも思いましたが、それではこの半年間はなんだったんだ? になりますので、言わないでおきましょう。
さほど客が入っていないで、商店街のひとたちのたまり場になっているヘアサロンヨネダも、いままで潰れることなくやれてきたのだから、なんとかなる! 翔也のことだからそんなふうにお気楽に考えているのかもしれませんが。
幸子と愛子の“イチゴ同盟”が結ばれました。そして、翔也がおやっさんの髪を切るという儀式も終了し、めでたしめでたし。なんといっても最終週のタイトルは「おむすび、みんなを結ぶ」ですから。これからどんどん結ばれていくことでしょう。
ところが、です。病院のほうはもう一波乱起きそうな気配です。理事長がスカウトした東京からやってきた若いけど優秀な井上晴哉(井上拓哉)先生という新たな敵(?)が投入されました。
役名と芸名が一文字違いというところに、テキトーというか投げやり感が見え隠れしますが、これがまた絵にかいたようなヤな奴でした。大腸がんのステージ3で手術を1週間後に控えているのに食欲のない患者に対し、「ゼリーやジュースで栄養強化をしていきたい」という結たちの提案に対して、「どうせ何も食べないでしょ。点滴で栄養補給してりゃいいことぐらい薬剤師さんならわかりますよね」と。さらに、人員不足でNST解体の危機に!?
アユ(仲里依紗)のところには、真紀ちゃんそっくり詩(大島美優)がやってきて、「しばらく泊めてください」と言います。自立援助ホームを抜け出したのでしょうか。詩とナベベ(緒形直人)のご対面があるやなしや…。
(桧山珠美/TVコラムニスト)