「すごい長崎」下妻みどり著
「すごい長崎」下妻みどり著
「長崎」の地名の由来は、日本列島の西の端で長崎湾の奧に突き出す「長い岬」である。そこにはグラバー邸のような観光スポットはないが、かつては「長崎奉行所立山役所」「知事公舎」など重要な施設が置かれた地である。岬の付け根にある諏訪神社近くの長崎公園周辺には、明治時代に「缶詰試験所」が造られたことから「日本最初の罐詰製造の地」の碑が立てられている。
キリスト教信仰が禁じられる以前には、長崎には10以上の教会があり、「小ローマ」と呼ばれた。教会は後に破壊されたが、石組みの地下室や石畳の回廊が保存展示されている。
日本列島の「辺境」にありながら独自の歴史を持つ長崎を紹介。 (新潮社 1980円)