風邪薬は要注意…前立腺肥大なら知っておくべき4つのポイント
「1週間以上、薬を継続して服用すれば症状はよくなります」
ただ、薬を服用する時は、前立腺がんの有無を調べる腫瘍マーカー「PSA」の数値の見方に気を付けなければならない場合がある。
「肥大症の治療薬アボルブ(5α還元酵素阻害薬)は、男性ホルモンの前立腺での作用を抑え、前立腺を小さくします。するとPSAの数値が低くなる。アボルブの服用では、PSAが本来の数値の半分になります」
つまり、がんでPSAが上がっていても、気付かないことがあるのだ。「泌尿器科医なら薬との関係をチェックしますが、肥大症はありふれた病気なので、専門外の医師が診ているケースも珍しくありません。その場合は、服用薬を自ら申告すべきです」
(3)風邪薬が危険
風邪薬のほとんどに、交感神経を刺激するエフェドリンの成分が含まれている。
「肥大症の人は、肥大化した前立腺が尿道を圧迫しています。そこにさらにエフェドリンで交感神経が過剰に刺激されると、尿道がぐーっと締め付けられ、尿が出なくなる急性尿閉を起こします。尿がパンパンにたまっているのに出ないのですから、非常に苦しい。管を通して尿を排出させたり、場合によっては手術など、病院での緊急の治療が必要になります」