親指を伸ばして箸やペンを握ると…ツラい関節障害を招く
「頻繁に子供を抱っこする産後の母親に発症するケースが多い障害です。ただ、最近はパソコンやスマホ、携帯電話などを過度に使う機会が増えたことで、激痛で親指や手首を曲げられなくなって来院される患者さんが増えています。中には、患部が腫れたり、手が変形したり、手を開けなくなってしまう人もいる。症状が悪化すると、手術が必要になるケースもあります」(木津院長)
■筋肉の癒着も進行
このドケルバン病の発症に大きく関わっているのが、ペンや箸の持ち方だ。パソコンやスマホを頻繁に使って指や手首を酷使していても、障害が発生する人としない人がいる。その差は、習慣的な指の使い方に原因があると考えられているのだ。
「本来なら指を曲げて使うべきときに、伸ばした状態で使い続けていると腱に過度の負荷がかかります。これがドケルバン病を引き起こす大きな原因です。たとえばペンを握るとき、他の4本の指と同じように親指を曲げて指先を使うようにしていれば、腱に負担はかかりません。しかし、親指の付け根付近でペンを握る人は、他の4本の指が曲がっているのに親指だけが伸びた状態になり、腱に負荷がかかるのです。親指の関節に偏った力が加わると、筋肉の癒着も進行します」(木津院長)