親指を伸ばして箸やペンを握ると…ツラい関節障害を招く
ペンや箸を使うとき、どんな握り方をしているだろうか? 昔は変わった握り方をしていると、親や先生に厳しく注意されたものだ。最近はそうでもないらしい。握り方が悪いと、指や手首に激痛が走って曲げられなくなる人もいる。見直したい。
「KIZUカイロプラクティック」の木津直昭院長が、高校で教師をしている患者に協力してもらい、生徒40人についてペンの握り方を実態調査した。
すると、【写真①】のように親指の先端ではなく、付け根付近で握っている生徒が17人もいた。さらに、親指側を上にした状態で、親指を他の指で隠すように拳をつくり、そのまま手首を小指側(下側)に動かしたときに痛みがあるかどうかをチェックする【写真②】の「フィンケルシュタインテスト」を実施したところ、17人中7人が“陽性”だったという。
このテストは「ドケルバン病」と呼ばれる腱鞘炎の診断に使われる。ドケルバン病は、親指を伸ばす筋肉である長母指外転筋と短母指伸筋腱が、手首の背側にあるトンネル状の腱鞘で炎症を起こして発症する。手首や指を曲げたり伸ばしたりする際はその中を腱が通過するが、酷使などで炎症を起こした腱がうまく通過できなくなって、手首の親指側から手首にかけて痛みが走るようになる。