検査では異常見えず 胃不調「機能性ディスペプシア」とは
いずれも否定されれば機能性ディスペプシアの治療になる。大きく分けて症状には「空腹時に胃がキリキリ痛む=心窩部痛症候群」と「食後もたれる=食後愁訴症候群」がある。
前者は胃酸の分泌を抑えるPPI(プロトンポンプ阻害薬)、後者は胃の運動機能を改善する薬が用いられる。13年には新薬が承認された。
「食後愁訴症候群に対する治療薬として画期的な薬と評価されており、中には非常に効く患者さんもいます」
先述の通り、機能性ディスペプシアは客観的な評価ができないので、「薬を飲んだらどうなるか」を見ることになる。主治医に薬の効き具合をはっきり伝えて、合う薬を手探りで見つけながら、気長に付き合うことが必要だ。
■原因は「鉄サプリ」
次に、いま飲んでいる薬をチェックしたい。
「胃の不調を来す薬として、鎮痛薬、抗生物質、サプリメントの鉄などがあります」
過労やストレス、睡眠の質も大きく関係している。心身いずれのストレスも、機能性ディスペプシアの症状を悪化させる。睡眠を十分に得られていなければ、身体的ストレスは増大し、胃に悪影響を与える。