薬剤師が危機感 「長期処方」に透けて見える患者の医療不信

公開日: 更新日:

 それに比べて開業医の先生方は、できるだけ1カ月に1度は病院に来ていただけるよう、長期処方は避けるようです。ある診療所では、14日間以上、原則薬を出さないようにしています。

 むろん、月に1度は患者さんに来てもらわないと再診料をいただけない、という経営上の問題もあるのでしょう。しかし、慢性期の病気の患者さんを診ている医師なら、月に1度の診察は当然だと思います。私は、患者さんの体のことは開業医の先生の方が考えているように思います。

 ならば、なぜ患者さんは大学病院に行くのでしょう? 万一、心臓などの重大病にかかったとき、大学病院の診察券があった方がいい、と思っているのかもしれません。しかし、“どうせ病院に行っても薬を出してもらうだけで、病院は何もしてくれない”という気持ちもあるのではないでしょうか。つまり、患者さんの医療への信頼や期待が薄らいでいるのです。

 医師が患者さんと向き合い、その期待に応えなければ、日本の医療は国民からそっぽを向かれる気がしてなりません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情