ポリープ抑制効果も 「糖尿病薬」が大腸がん予防を変える

公開日: 更新日:

■1日1回の服用で副作用ほぼなし

 この研究の画期的な点は、まず「副作用がほぼなく、安価で、1日1回の服用という負担が軽い方法で、大腸がんにつながりかねないポリープの発生を抑えられた」ことだ。大腸ポリープが一度できると、多くが何度も繰り返す。対策は、定期的な内視鏡の検査と切除しかなかったが、メトホルミンなら実に手軽だ。

 次に、「糖尿病でない人を対象に抑制効果を得られた」点。

「糖尿病は大腸がんのリスク因子。糖尿病患者を対象にすると、ポリープ抑制がメトホルミンの効果か、糖尿病改善による効果か、はっきりしません。非糖尿病患者を対象としたことでメトホルミンの直接的な作用を実証することができました」

 今後は臨床研究の参加者の人数を増やし、研究年数も長くする予定だ。

■世界初の画期的な方法

 これまでアスピリンやNSAIDsと呼ばれる痛み止めの投与が大腸がんのリスクを下げることが報告されている。しかし副作用も認められているため、大腸がんの予防法として確立したものではない。今回の発表は、画期的な研究結果として専門家の注目を集めている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ