食べ過ぎの脂肪肝に有効 「エビ&カニ」エキスの威力
「脂肪肝や肝硬変はお酒の飲み過ぎのせい」と思ったら大間違いだ。最近は酒で肝臓を壊す人は減っており、食べ過ぎや運動不足、糖尿病などが原因の「非アルコール性脂肪性肝疾患」(NAFLD)が増えている。単なる脂肪肝なら焦る必要はないかもしれない。しかし、脂肪肝が一歩進んだ「非アルコール性脂肪肝炎」(NASH)となると話は別だ。肝細胞が線維化し、10年以上経つと肝硬変や肝臓がんになる可能性がある。そんなNASHの改善にエビやカニのエキスが有効だという。金沢大学医薬保健研究域付属脳・肝インターフェースメディシン研究センターの太田嗣人准教授(顔写真)に聞いた。
田中竜太郎さん(仮名、55歳)は出版社に務めるサラリーマン。日頃の不摂生がたたり、大学卒業直後に82キロだった体重は数年前に100キロを超えた。会社の健康診断では毎回、「脂肪肝」を注意されていた。それでも「死ぬわけはないし……」と、高をくくっていたという。
「ところが、この1年、やたらとこむら返りを起こすようになったのです。最初は夜間だけだったのですが、最近は昼間でも全身がつる。体がだるく、風邪の症状がある。しかもお腹が張ってトイレが臭うようになった。おかしいと思って病院で診てもらったら、糖尿病に加えて肝硬変の一歩手前の脂肪肝炎だとわかったのです」