筋力低下は早死を招く 中高年はダイエットより“握力強化”
「久山町研究でも同じような結果が報告されています。心臓の機能維持には末梢の筋肉の力が重要で、筋力があると末梢循環も良くなります。さらに、血管も広がり、血圧も下がってきます。動脈硬化や血栓も起こりにくくなるのです」(都内の循環器科医師)
では、握力はどのくらい必要なのか? 文部科学省が毎年公表している「体力・運動能力調査」(平成26年度版)によると、男性(女性)の平均握力は50~54歳で46.31キロ(28.04キロ)、55~59歳で44.90キロ(27.51キロ)、60~64歳で42.87キロ(26.01キロ)、65~69歳で39.77キロ(24.72キロ)、70~74歳で37.46キロ(23.75キロ)だ。
「いまは握力が正しいダイエットのための指標になるという報告はありません。しかし、全身状態をよくしたうえで、老化を防ぐ運動と食事を組み合わせると握力が増加することが分かっています。その意味では握力をダイエットの指標にするのもアイデアかもしれません」(前出の林院長)
ただし、大事なのは握力が衰えないような日常生活を送ること。握力を鍛えたからといって長生きするというものではない。覚えておこう。