「温泉の力」で健康に 週1入浴で“悪玉コレステロール”減
「習慣的に温泉入浴している人のコレステロールの変化をこれだけの人数で調べたのは初めてのことです。まだまだ研究すべきことはたくさんありますが、長期の温泉入浴の習慣が体に良いことは間違いありません」(早坂教授)
温泉地ではかつて個人の経験や言い伝えにより「○×に効く」などのいいかげんな表示がなされていたが、環境省により、エビデンスに基づいた表示がなされるようになった。例えば、2014年の改定ではさまざまな研究論文からそれまで禁忌だった妊婦の「温泉入浴」がOKに変わった。
■「銭湯」でもOK
しかし、温泉でもっとも重要なことは、「温泉をキッカケにしたコミュニケーション」と早坂教授は言う。
「温泉地のなかには健康増進のための公共入浴施設を活用することで、目に見えて医療費を減らした地域が複数報告されています。温泉そのものの効果もさることながら、広い浴槽で気心の知れた人たちとのコミュニケーションやそこまでの歩き、外出のための服装への配慮などが健康を増進させているのです」