「先生とは好相性でした」 山田邦子さん乳がん闘病を語る
でも、酸素マスクを外した途端、「痛ああああ!」と叫ぶほど胸に痛みを感じたんです。すると、かわいい看護師さんが私の顔をのぞき込んで「今、座薬入れましたから」とニッコリ。思わず「誰が!?」と叫んでしまって、手術室で爆笑されました。座薬を入れられたことにまったく気づかなかったんですよね。もう何も威張れないなと思いました(笑い)。
つらかったのは、退院後、1カ月ほど通院して受けた放射線治療が終わり、ホルモン治療に切り替わったころです。毎日1錠の薬を飲むだけなので、病院に行くのは半年に1回だけ。普通なら、よかったと思うところですけど、病院から離れることが寂しくてね。さらに5年後、半年に1回の通院も終わってしまったら本当に寂しくなっちゃって、用もないのに病院の近くをうろついたりしてました。「荷下ろし症候群」というそうで、あとから先生に「頑張った人がみんななるのよ」と言われました。
私、それまでずっとひとりでやってきたんですよね。グループとか群れるのが嫌いで、それが自負でもありました。でも、そんなの思い上がりだったんだと気づきました。それからは、人とつながることで元気になったようなものです。