冬場の便秘に悩む高血圧の人は花粉症になりにくい可能性
■カテコラミンが影響する
実際、その年に「もう花粉症は治ったのかな」と思っていたら、甲状腺機能をきちんとコントロールできていた翌年は、しっかり花粉症の症状が表れました。これは自分自身で人体実験をしたようなもので、もちろん“教科書”には載っていません。
この実体験をベースに考えてみると、「高血圧で冬場に便秘になりやすい人は、花粉症の症状が表れにくい、もしくは軽症で済む」といえるかもしれません。血圧が高くなる状況というのは、アドレナリン=カテコラミンの分泌が多くなってその作用が強まっています。そうなると、前述のように便秘が激しくなるのです。そのため、脱水状態になりやすい冬場に便秘が助長される高血圧の人は、アドレナリンの血中濃度が高く、花粉症が抑えられる可能性があるといえます。
逆に血圧がしっかりコントロールされていて、便通がきちんとある人は、ひょっとしたら花粉症の症状が出やすいと考えられます。
他にも、「お風呂に入りながらよく通る声で歌を歌う人は、もしかしたら花粉症が表れにくい、または風呂場では花粉症が治まってしまうタイプ」かもしれません。声がよく通るということは、気道がしっかり拡張しているということです。カテコラミンはβ受容体に作用し、β受容体は気道や血管に分布しています。つまり、風呂場でよく通る声で歌う人はカテコラミンの作用が強くなり、花粉症が抑えられる可能性があるといえるのです。