死亡率がぐんと下がる可能性 「心筋梗塞」の正しい予防策
狭心症は、心筋(心臓を構成する筋肉)に酸素と栄養素を運ぶ冠動脈の内側が細くなり、心筋への血流が悪くなった状態。症状の出る場所やその強さ、内容は人それぞれだが、「動くと主に胸が苦しくなる(胸ではなく、歯痛、腹痛、胸のむかつきなどと表現する患者もいる)」「休むと5分ほどで治る」が特徴だ。
狭心症には、安定狭心症と不安定狭心症があり、後者は2割弱が1カ月以内に心筋梗塞を起こす。だから、不安定狭心症はより注意が必要だ。
不安定狭心症は、狭心症の発作の頻度が増えたり、安静時にも起こすようになった時に疑う。厄介なのは、安定狭心症から不安定狭心症への移行が患者の自己申告でしか判断できない点だ。
「感度の高い検査を行っても、異常なしと出ることは珍しくありません」
ある狭心症の患者は、「胸が苦しくなる頻度が増えたようだが、問題ない。不安定狭心症ではないと思う」と伊苅教授に言った。狭心症を調べる負荷心筋シンチグラフィーでは異常なし。数日後にCTの予約を入れたところ、その日が来る前に心筋梗塞を起こした。