頻尿の陰に心臓疾患が隠れているケースがある
その状態で就寝時に横になると、重力で下肢にたまっていた水分が循環して、腎臓への血液量が急激に増加します。すると尿がたくさん作られるようになり、夜間頻尿が表れるのです。心臓が悪いことで、結果的に夜間頻尿を招くケースがあるということです。
また、近年は、「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)が頻尿と関係していることがわかってきました。夜、寝ている間に何回も呼吸が止まる病気です。詳しい仕組みははっきりしていませんが、気道が塞がった状態で呼吸をしようとすると心臓に負担がかかり、その負担を軽減するために血管拡張と利尿作用があるホルモンが分泌されることで頻尿が起こるといわれています。
睡眠時は本来であれば副交感神経が優位になりますが、SASがあると交感神経が活性化します。そのため、心臓や血管に大きな負担がかかり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、心房細動などが起こりやすくなることがわかっています。SASによって夜間頻尿が起こっている人は、心臓疾患を起こすリスクも高いということです。
このように、頻尿はさまざまな形で心臓と関連しています。とりわけ夜間頻尿が気になっている人は、念のため心臓の検査も受けておいた方がいいかもしれません。