著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

前立腺がん 70代は200人に1人が罹患するが手術率は27%

公開日: 更新日:

■過剰医療の可能性も?

 30代や40代で前立腺がんを心配する必要は、ほとんどなさそうです。50代では1年間で2300人に1人が発病し、6万6000人に1人が亡くなるという割合です。あえてPSA検査を受けるか、もし「がん」と診断されたら手術を受けるか、よく考えたほうがよさそうな数字です。

 患者数のピークは60代(毎年420人に1人)から70代(同200人に1人)。しかし、手術件数は必ずしも多くはありません。60代では新規患者の45%、70代では27%にとどまっています。放射線やホルモン剤などが有効なケースも少なくないからです。

 80代になっても、新規患者は1万5000人以上(225人に1人)も出ています。しかし手術件数はぐっと減って、開腹・腹腔鏡合わせてわずか104件にとどまっています。ところが死亡数は約7000人。単純にいって、残り8000人以上が「別の死因」で亡くなっているのです。逆に60代・70代の死亡者の中には、前立腺がんの「過剰治療」が死因だった人が少なからずいた可能性が考えられるわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  2. 2

    柔道ウルフ・アロン「誤審」「不可解判定」「AI審判」「やらせ疑惑」をとことん語る

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    吉永小百合(10)「15歳年上のバツイチと、よく一緒になりましたね」会員限定記事

  1. 6

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  2. 7

    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    柔道ウルフ・アロンが“弟分”斉藤立を語る「仏リネール選手はタツルに持たれることを恐れていた」

  5. 10

    石川佳純の争奪戦からフジテレビが脱落情報!五輪キャスター起用でアドバンテージあるはずが…