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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

卵巣がんの75%以上は進行した状態で発見される

公開日: 更新日:

■30歳を越えたら定期的な検診が大切

 卵巣がんは、早くて30代前半、おおむね40~50代の更年期に多く見られます。婦人科がんでは子宮がんに次いで多く、年間約1万人が罹患し、約5000人が亡くなっています。

 卵巣は骨盤内にあって初期の症状はほとんどなく、ある程度大きくなってから腹満感、腹痛、頻尿、下腹部に腫瘤が触れるなどの症状が出てきます。ただ、この症状は良性の卵巣嚢腫でも同じです。そのため、早期診断は困難で、75%以上は進行した状態で発見されます。ですから、30歳を過ぎたら定期的に婦人科の検診を受けることが大切です。

 卵巣がんは、診察、超音波診断、CT、MRI、血液検査の腫瘍マーカーなどで診断されますが、確定診断は組織検査によります。CT、MRI検査では、嚢腫なのか、充実性の腫瘍(固形成分でできた腫瘍)なのかを診断します。卵巣の腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、手術で組織を切除しないと確定診断は難しいのです。

 診断後、がんの進行の病期により治療方針が決められます。手術が困難な場合、あるいは手術前に化学療法を行う場合でも、腹膜や転移巣の生検、腹水細胞診などで確定診断をします。

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