著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

マンモの見落とし率は15% エコーが本当に必要な女性は

公開日: 更新日:

 若い人は乳腺が豊富で密度が高い傾向で、それが「デンスブレスト」。そのタイプは、マンモでがんを判別しにくいのです。乳腺が不均一のタイプもマンモだと異常を見つけにくい。10~15%の乳がんが、マンモで見落としのリスクがあるといわれているのは、そのためです。

 そんなデンスブレストの発見に役立つのが、エコー検査。超音波なので被曝もありません。

「それなら、若い人にはエコーを」と思うかもしれませんが、エコーは技術者による検査精度のバラつきがあり全国レベルで実施しても死亡率が下がるというデータが得られていません。エコー検診が全面的に推奨されない理由はそこです。

 ただし、若く乳がんを発症しやすいハイリスクの人は別です。それが、家系に40代以下で乳がんになった人がいる、卵巣がんになった人がいる、BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異を指摘された人がいる、などです。

 若く乳がんを発症する方は、遺伝子変異が関係している可能性があって、卵巣がんを併発しやすい特徴もあります。当てはまる人は専門医に相談して、若いうちからエコー検査を受けるといいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…