著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

治療と仕事の両立<1> 時短勤務なら7割が半年で職場復帰

公開日: 更新日:

 がん遺伝子の“経年劣化”により生じる病気で、高齢化で急増していますが、患者は3人に1人が64歳以下の現役世代。現役世代で亡くなる方は、実に半数の死因ががんです。現役世代のがん対策が大切な理由が、ここにあります。

 そんな中、興味深いニュースがありました。大手商社の伊藤忠は、がん患者の治療と仕事の両立をサポートするための強化策を発表。それによると、国立がん研究センター中央病院と提携。会社の負担で40歳から5年ごとにがん検診を実施。早期発見や早期治療に結びつけるほか、テレワークや時短勤務などの勤務制度を整えて、治療と仕事の両立をサポートするそうです。

 伊藤忠の支援策は、働き盛りのがんの実情をとらえています。その理由をもう少し掘り下げてみましょう。

 仕事をしているがん患者のうち、4人に3人は継続を希望。ところが、3人に1人は離職に追い込まれています。そのうち4割は治療が始まる前に辞職。病気や薬の副作用のつらさを感じているわけでもなく、告知のショックで会社を去っているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が