若くしてコレステロールが高ければ「家族性」を疑う
PCSK9阻害薬は昨年承認の新薬で、スタチンとは違う機序を持つ。若いうちから高コレステロールを指摘されている人、若年で冠動脈疾患を発症した人は一度は動脈硬化の専門医のチェックを受けるべきだ。
また、両親あるいは親のどちらかが家族性高コレステロール血症であれば、確率は高くなる。「親が若くして冠動脈疾患」という情報も、家族性高コレステロール血症を疑うポイントになる。
今回「70未満」というこれまでより厳格な目標値が設定されたのは、LDLコレステロールに関して「the lower the better(低ければ低いほど良い)」ことが複数の研究ではっきりしているからだ。特に冠動脈疾患の二次予防は、これなしでは回避は難しい。
「低すぎても問題ありません。LDL受容体に関連するPCSK9の分泌が行われないことが原因で、赤ん坊より低いLDLコレステロール14以下の女性が、血圧、肝機能、腎機能が全く正常な健康体であることも報告されています」(寺本医師)